2015年時間があれば聞くべきアルバムその1(ロック編)

ということで、前々回の「これを聞かずには年を越せないアルバム」に続いて、 2015年時間があれば聞くべきアルバムの紹介を。 yhey0711.hatenablog.com ジャンル別に書きたいと思います。 多いジャンルもあれば少ないジャンルもありますが、その辺りは私の強…

contact gonzo お笑いとパフォーミング・アーツを分かつものは何か考える その1

先日、早稲田大学にある小野記念講堂にて、contact gonzo『訓練されていない素人のための振付コンセプト001/重さと動きについての習作』と『訓練されていない素人のための振付コンセプト002/速度と動きについての習作』を観てきた。どちらの作品も仕様書もし…

2015年これを聞かずには年を越せないアルバム5枚

2015年は日本でもようやく音楽聴き放題系のサービスが始まり、個人的には音楽の聞き方が大きく変わったなぁという印象です。特にCDを借りるという目的ではTSUTAYAに本当に行かなくなりました。Apple MusicになくてTSUTAYAにあるというのはそんなにないのが原…

9月のランニング月報

今月からランニングについても月次で反省をしてみようと思う。これまでの状況としては、今年の初めから左右の足首や膝を痛めていて、接骨院に通いつつ騙し騙し走っていたのだけれどようやく全快に近づいている。 ■ログ的なもの 9月はRunkeeperのログによれば…

藤井隆『Coffee Bar Cowboy』レビュー

『Coffee Bar Cowboy』は藤井隆3枚目のオリジナルアルバムであり、彼が作曲を手がけた曲が含まれる最初の作品です。そんな彼のある意味処女作とも言える作品は野心、仁義、謙虚さ、大胆さといった複雑な要素を併せ持ちながら、アルバムを通して決して飽きさ…

PIZZICATO ONE『わたくしの二十世紀』レビュー

小西康陽の一人ユニットであるPIZZICATO ONEの2ndアルバム『わたくしの二十世紀』は小西自らが作曲した楽曲のセルフカバーアルバムである。と聞くと、ピチカート・ファイヴ時代のあんな曲やこんな曲が入っているのか!?という期待が高まるものだが、そんな…

批評再生塾 第五回課題:SEKAI NO OWARIは変化によって何を手に入れ、何を失うのか

ゲンロンで行われている批評再生塾のお題に外部から参加。湯浅学さんからの出題で、テーマは「誤読、誤解、行きちがい、失敗を考え直す。しくじりの効用を論じて下さい。」とのこと。一応音楽のジャンルでの出題なので音楽ネタで書いてみました。 ボーっと火…

批評再生塾 第三回課題:可処分時間・3D・テクノロジー

ゲンロンで行われている批評再生塾の第3回の課題に外野から投稿。道場破りというほどよく出来たものではないですが。ちなみに、テーマは以下の通り。文字上限がだいたい4000字とのことですが、ちょっとオーバーしています。 「現在(2015年)の映像メディア…

『とんかつDJアゲ太郎』:DJは何をしているのかがわかる素晴らしいギャグマンガ

DJという表現者が置かれている環境は正直なところまだまだ厳しい。もし「俺DJやってるんだ」と音楽に詳しくない友だちに伝えると、おおよそ99%以上の確率で「これでしょ」と言いながら両手でスクラッチする動きか、ヘッドフォンに手を当てながらスクラッチす…

Mumford & Sons『Wilder Mind 』CDが売れない時代と、スタジアム・ロックのつまらなさという矛盾

2013年に活動休止したMumford & Sonsが帰ってきた!と全面的に喜んでいいのだろうか。このアルバムを聞くと音楽ビジネスの変化に絡め取られただけなのではと思えて仕方がない。それはなぜなのか、一つ前のアルバムと活動休止に至る流れから考えていく。 『Si…

『セッション』 名声とプライドを追い求めた愚か者たちによるバトル映画

話題の過ぎ去った感のある映画『セッション』を観てきたのですがさすがに思うところあり、レビューを書きたいと思います。結論を先に言えば、師弟モノとしては駄作ですが、原題の「鞭打ち」的なバトル映画の観点からはまぁいいのかもと思います。また、音楽…

モルテン・ティルドゥム監督『イミテーション・ゲーム』

天才数学者アラン・チューリングのエニグマ解読とその後について実話をベースにした作品がイミテーション・ゲームで、2015年のアカデミー作品賞ノミネート作である。主役はテレビドラマシリーズである『SHERLOCK』でシャーロック・ホームズ役を演じているベ…

2014年 マイ・ベスト映画 ベスト5

今年は劇場で観た映画が65本。うち7割が今年公開の新作という感じでした。 前半はなんか不作の年だなぁと思ったものの、後半で傑作!って作品が次々と公開され、最終的には2014年はとてもよかったという感じでした。 では、マイ・ベスト映画のうちの上位5本…

andymori ラストライブ 武道館公演 レビュー

ラストライブというものはいったい誰の、そして何のためにあるのだろうか。そういった場面に立ち会う度にそのことを考えてしまう。andymoriの二度目のラストライブはおそらく彼らが作ってきた曲のためにあったのではないかと思う。 まず、andymoriの武道館で…

『オルセー美術館展 印象派の誕生ー描くことの自由ー』@国立新美術館

展示のビジュアルイメージにはエドゥアール・マネ『笛を吹く少年』が使われている。展覧会の名称こそ『オルセー美術館展』だが、マネを中心にそのついでにオルセー美術館から借りてきましたという感じは否めない。というのも、展示構成が1章「マネ、新しい絵…

ジェームズ・ガン監督『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』レビュー

薄々みんなが気づいていたことが白日の下に晒されてしまった。「シリアスなヒーロー作品はもう終わりだ」ということだ。 2008年、クリストファー・ノーランが『ダークナイト』で生み出したヒーロー像は画期的だった。主人公のバットマンは自らが正義であると…

サンプル『ファーム』レビュー

ある一組の夫婦が離婚の協議をする場面から始まる。離婚の原因は主に2つで、夫が息子の誕生以降仕事である研究に没頭し数年間まともな連絡をしなかったということへの不満、そして妻が浮気をせずに結婚したいと思う人を見つけたということだった。この夫婦に…

UA×菊地成孔『cure jazz reunion』レビュー

2006年に発売された、菊地成孔とUAのコラボ作品である『cure jazz』の再結成ライブを記録したライブ盤で、渋谷Bunkamuraオーチャードホールでの公演と、その前哨戦として行われた沖縄・桜坂劇場で行われた公演の2公演から選ばれた10曲が収録されている。この…

Cui?『止まらない子供たちが轢かれてゆく』 レビュー

ある体育教師の体罰が原因で、教師への信頼がなくなった小学校で子どもたちの中で密かに導入されたのが生徒同士で行う学級裁判というシステム。先生が何と言おうと、学級裁判の結果を重視すると決めた子供たち。とは言っても行っているのは先生を除いた小学…

マイルドヤンキー問題と、君に届け

4月に放送された文化系トークラジオLifeのテーマは「マイルドヤンキー限界論」というものでした。放送中では最新の作品ということで「あまちゃん」が話題に上がることが多かったのですが、予告編を聞いた段階で頭の中で浮かんだ作品は『君に届け』でした。マ…

佐々木敦「未知との遭遇」を読んだ

膨大な選択肢の中から選んでいかなければいけない現代で、 どう後悔なく受け入れていくのかという問いに対して運命論で答えていく本。 自分も中学生のときに運命論についてはぼんやりと考えていたので、 最後の解決によって結構すっきり入ってきた。 この本…